労働安全コンサルタントとは
労働安全コンサルタントは、昭和47年に制定された労働安全衛生法が定める国家資格で、厚生労働省が実施する高度の試験に合格し、厚生労働省の名簿の登録を受けて開業します。労働安全コンサルタントの名称を用いて、事業者の求めに応じ、報酬を得て安全診断や指導を行います。
もっと読む
労働衛生コンサルタントとは
労働衛生コンサルタントは、労働安全コンサルタントと同様に昭和47年に制定された労働安全衛生法が定める国家資格です。厚生労働省が高度の試験に合格し、厚生労働省の名簿の登録を受けて開業します。労働衛生コンサルタントの名称を用いて、事業者の求めに応じ、報酬を得て衛生診断や指導を行います。保健衛生と衛生工学の区分があります。保健衛生の労働衛生コンサルタントには産業医、保健師、看護師などの医療保健の従事者がかなりの割合で活躍しています。衛生工学の労働衛生コンサルタントは有機溶剤、化学物質、じん肺、粉じんなどによる健康障害を防止するために局所排気装置などの工学的手段により作業環境を改善する分野で働く人たちを守る分野を得意としています。
もっと読む
コンサルタント会とはどんな組織ですか
社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会は、労働安全衛生法第87条の規定に基づき昭和47年に設立された、同法第81条第1項の労働安全コンサルタント及び同法第81条第2項の労働衛生コンサルタントを会員とし、厚生労働省が所管する社団法人の団体です。
コンサルタントとしての使命及び職責にかんがみ、コンサルタントの品位の保持及び資質の向上並びにその業務の進歩改善に資するため、会員の指導及び連絡に関する事務を行い、もって労働者の安全及び衛生の水準の向上に寄与することを目的としています。会員数は2718名です(平成22年12月現在)。
神奈川支部は、どんな組織ですか?
社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会には各都道府県に支部があります。神奈川県にある支部が神奈川支部です。会員は207名(平成23年3月現在)で、うち43名は支部組織を活用してコンサルタント活動を行っている事業部に所属しています。研修会やホームページ構築維持更新は事業部が行っています。
神奈川支部に、どんなことを相談できますか? 安全と衛生に関することならば、何でも相談できるのでしょうか?
事業場(企業)の安全と衛生に関することは、何でもご相談ください。労働安全コンサルタント(化学、機械、電気、土木、建設の各分野)、衛生工学の労働衛生コンサルタント、保健衛生の労働衛生コンサルタントから、適任者が対応いたします。
神奈川県外の事業所ですが指導を受けられますか?
コンサルタントにはその業務遂行にあたり都道府県等の条件はなく日本全国で活動出来ます。各都道府県に支部組織がありますのでまずは各支部とご相談されてはいかがでしょうか。神奈川支部には関東地区あるいは全国の事業者の依頼で各地の事業所の指導をしているコンサルタントも多数おりますので神奈川支部にもご相談いただけます。
労働安全や労働衛生から少しはずれるような事柄でも、相談できるのでしょうか?
労働安全や労働衛生の分野には、関連する法規の問題や、実施する企業や組織の問題、さらには属人的な問題が包含されています。そのようなことも含めてご相談いただけます。
労働安全や労働衛生とは少々違うようなことでも、相談できるのでしょうか?
私達は労働安全や労働衛生を広く捉えています。労働者の業務上災害や健康にかかわる作業環境問題ばかりではなく、例えば安全と生産性、安全と品質、安全と食品衛生、安全性の評価(リスクアセスメント)、環境の快適性といったものも、労働安全や労働衛生と密接なつながりがあると考えています。
事業所の技術的問題を相談できますか?
労働災害の話と思っていても、実際は管理や運用の問題であったり、知的財産や法律の問題であったりする場合があります。また、安全と衛生の分野は広いので他の分野の専門家を加えると思いがけず問題、課題が浮き彫りになることがあります。安全と衛生の分野かなという疑問でも、まず労働安全・労働衛生コンサルタントに、そして多くの専門分野にまたがったプロフェッショナルの集団である神奈川支部に相談するのが早道です。
個人の問題解決の力になってもらえますか?
個人のトラブルにも、労働安全・労働衛生コンサルタントがお手伝いできる問題がたくさんあります。労働災害、健康障害、産業疾病などのトラブルを解決するときに労働安全・労働衛生コンサルタントだけではなく、医療関係従事者、社労士、作業環境測定士、弁護士と多くの人たちとの共同作業が必要になることがあります。あるいは労働局や労基準監督署など行政の方々への相談が必要になることもあります。働く職場に関わる問題の場合には事業者の理解と連携が重要であり、個人の問題と思われていてもその解決には事業者の積極的な関与が欠かせないことも多いようです。トラブルが発生したら、神奈川支部に相談することをお勧めします。
依頼内容の秘密は守られるのでしょうか?
労働安全・労働衛生コンサルタントは業務に関して知り得た秘密を漏らしたり盗用したりすることはありません。労働安全・労働衛生コンサルタントでなくなった後も同様です。(労働安全衛生法 第86条 義務、第117条 罰則(一年以下の懲役又は百万円以下の罰金))
コンサルティングは依頼者である事業者の味方になってもらえるのでしょうか?
指導は事業所の状況に合わせて的確に行います。コンサルタントの経験、学識、知見及び法令や各種の指針、通達、規格などを活用して指導をおこないます。事業場やそこで働く労働者に受け入れやすい指導をするように心がけていますが、必ずしもこの依頼者の望む通りの指導が出来るとは限りません。とりわけ法令の規定、国の指針や地方の条例などを満足していない場合は指導が厳しくなります。
設備・機械のリスク低減工事の見積もりや工事の施工まで含めてコンサルティングをしていただけますか?
労働安全・労働衛生コンサルタントの所掌は、依頼主である事業者が実施する種々の方策を示し指導することです。工事の見積もりや施工はしておりません。ただし内容によりましては、アドバイスや参考的な数値をお示しできる場合もありますので、ご相談お願いします。
事故の再発防止のための安全診断、衛生診断をするときに、労災が発生した現場や設備・機械の保存がされていないのですが安全診断は可能でしょうか?
とにかく入手できる資料類を集めてください。それらの範囲で診断をいたします。従って、資料類が少ない場合は、提示できる内容に限界があることをご承知ください。
では、上手な指導の頼み方を教えてください。
あなたがコンサルタントに何を求めているか、あなたの求める指導の意図あるいは目的を十分に神奈川支部および労働安全・労働衛生コンサルタントに伝えてください。そして入手可能な限り多くの資料と情報をコンサルタントに提供してください。指導中に生じた疑問をコンサルタントが尋ねてきた場合はご協力をお願いします。
神奈川支部への依頼はどのようにするのでしょうか? 依頼は神奈川支部に電話をすればよいのですか?
電話、ファックス、メール(リンク)といった方法があります。神奈川支部事務局が一旦お受けし、労働安全コンサルタント(化学、機械、電気、土木、建設の各分野)、衛生工学の労働衛生コンサルタント、保健衛生の労働衛生コンサルタントから、適任者が対応いたします。
まとまった話ができなくても、神奈川支部に相談できますか?
問題の整理のためにも、神奈川支部にお電話を下さい。
依頼から指導までの手順を教えてください。
神奈川支部へご相談があれば、神奈川支部事務局はご依頼に沿ったコンサルタントをご紹介します。内容によっては複数のコンサルタントを紹介します。このコンサルタントが具体的に打ち合わせをおこない見積もりを差し上げます。合意した見積もりに従って契約書を作成し事業場の指導を致します。
どこまでが無料で、どこからが有料でしょうか?
神奈川支部事務局へのお問い合わせは無料です。次にご紹介するコンサルタントと打ち合わせていただきます。実際にコンサルティングをお受けすることに合意した以降は有料になります。合意に至らなかった場合の費用はいただきません。例外的な場合ですが、打ち合わせ内容がコンサルティングに相当する場合には相談料を頂くことになります。
コンサルタントへの報酬はどの程度でしょうか?
コンサルティング費用はコンサルタントへの報酬と経費からなります。報酬は、指導の難易度、作業量、要する時間などの諸要素を総合的に考慮して算出します。コンサルタントの報酬単価は(社)日本労働安全衛生コンサルタント会神奈川支部の報酬指針に妥当な金額が示されています。経費は、交通費、宿泊費や図書印刷費などです。コンサルティング費用はそれぞれの指導内容により異なりますので、まず神奈川支部にお尋ね下さい。
報酬規定を教えてください。
(社)日本労働安全衛生コンサルタント会神奈川支部の報酬指針(リンク)は事業所の業種、労働者数、業務の種類、期間などを考慮し、神奈川支部に所属するコンサルタントが実際に頂戴している報酬の範囲を示しています。この指針を参考にして下さい。
追加費用の発生はありますか?
一括で受諾した場合には基本的に追加費用はありません。指導項目の追加や変更、現場調査、各種教育訓練の実施など、当初の取り決めになかった次の展開による費用の追加発生がある場合はあらかじめ取り決め(見積もり提出)をおこないます。
安全診断書、衛生診断書、など報告が出るまでの期間はどのくらいでしょうか?
ケースによって大きく違います。数日以内のものから1ヶ月を超えるものまでまちまちです。コンサルタントにご相談ください。
コンサルティング業務や診断書の責任は誰にあるのでしょうか?
その業務を受託した担当のコンサルタントが責任を負います。
安全衛生診断とはどのようなものでしょうか?
安全の専門家または衛生の専門家によって、事業場の危険有害要因の指摘や安全衛生水準の評価などを行います。その内容は、労働災害(業務上疾病)の発生状況・直接原因・間接原因、作業の危険性または有害性の指摘(特定)、安全衛生管理体制、安全衛生教育、就業に関わる配慮 などですが、具体的な診断項目はコンサルタントとご相談下さい。
なぜリスクアセスメントが必要なのでしょうか?
作業場、職場にはそこで働く人たちへ危険や有害の要因が潜在しています。この要因を明らかにして、危害の大きさ、危害の発生頻度からリスクの大きさを評価します。対策を必要とする危険や有害の要因が明らかになりますからリスク低減策を実施することで労働災害や業務上疾病を大きく低減する事ができます。
自社内に安全衛生管理部署があれば、コンサルティングは必要ないのではないでしょうか?
コンサルタントを上手に活用していただけたらと思います。例えば、安全衛生管理部署が自社にあっても、
- 労災事故が発生した場合
- 第三者的な視点からの災害防止策を検討したい場合
- マンネリ化が懸念される安全衛生委員会の活性化を図りたい場合
- リスクアセスメントの導入をしたい場合
など、いろいろとお役に立てると思います。
KYTとリスクアセスメントはどう違うのでしょうか?
KYT(危険予知訓練)は、職場や作業に潜在する危険要因を発見・把握・解決してゆく手法で、ヒヤリハットなどで見つけた不安全箇所や不安全行動を、イラストシートを使って数人程度の小集団で指差し唱和、指差し呼称で確認して解決してゆく手法です。リスクアセスメントは、対象とする機械、設備あるいは作業の危険源(ハザード)を危険源リストや作業者との討議、事故履歴などから抽出して(危険源の特定または同定という)、危険源により発生する危害の大きさと危害の頻度からリスクの大きさを評価し、大きいリスクから本質的安全設計方策、安全装置、使用上の情報の順序でリスク低減対策を実施してゆく方法です。
KYTは職場や作業に伴う危険をあらかじめ知る(訓練する)ことで危険を回避する小集団活動として災害を減少させることに貢献してきましたが、リスクアセスメントは職場や作業に潜在する危険源を見つけてリスクを評価し、リスクを無くすあるいはリスクを低減することを行うという違いがあります。
安全衛生診断書にはどんなことが書かれるのでしょうか?
一般に、診断書には
- 受診事業所名と事業所の概要(労働者数、業種、など)
- 安全衛生診断員氏名、診断日時
- 労働災害(業務上疾病)の発生状況、直接原因、間接原因
- 安全衛生管理体制、安全衛生教育へのアドバイス
- 実施しているリスクアセスメントへのアドバイス
- 機械、設備、安全装置、保護具の使用状況
- 外国人労働者、派遣労働者、高齢労働者への配慮事項
- 健康管理
- 法定遵守事項
などについてのコンサルタントの指摘事項、指導事項、アドバイスなどが書かれます。この診断書をもとに事業所とコンサルタントが一緒に相談し対策を実施することが安全衛生のレベルを向上するためにはとても有効です。
安全衛生診断書というものは、安全衛生の素人が読んでもわかるものでしょうか?
診断書は安全衛生の専門家でない方が読む事を前提としています。事業所のトップ、事務部門、製造部門、工務保全、保健衛生の専門家、安全衛生の担当者などに技術的なことや保健衛生のことを理解していただけるよう、十分な配慮をしています。もちろん専門的な用語や、場合によっては計算式が並ぶこともありますが、最終的な診断結果の理解はできるようにします。
他にもいろいろと教えてください。
労働安全コンサルタントとはどんな資格ですか。
労働安全コンサルタントは、労働安全コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、労働者の安全の水準の向上を図るため、事業場の安全についての診断及びこれに基づく指導を行なうことを業とする者で、厚生労働省が実施する労働安全コンサルタント試験に合格し、厚生労働省に備え付けられた労働安全コンサルタント名簿に登録された労働安全の指導ができる唯一の国家資格所有者の労働安全に関するプロフェッショナルです。もっとも得意な分野を示すものとして労働安全コンサルタントには、機械・電気・化学・土木・建築の区分があります。労働安全衛生法第81条第1項で規定されています。
労働安全コンサルタント名簿に登録されているコンサルタントは4559名です(平成22年3月現在)。
労働衛生コンサルタントとは、どんな資格ですか?
労働衛生コンサルタントは、労働衛生コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、労働者の衛生の水準の向上を図るため、事業場の衛生についての診断及びこれに基づく指導を行なうことを業とする者で、厚生労働省が実施する労働衛生コンサルタント試験に合格し、厚生労働省に備え付けられた労働衛生コンサルタント名簿に登録された労働衛生の指導ができる唯一の国家資格所有者の労働安全に関するプロフェッショナルです。もっとも得意な分野を示すものとして労働衛生コンサルタントには、保健衛生・労働衛生工学の区分があります。労働安全衛生法第81条第1項で規定されています。
労働衛生コンサルタント名簿に登録されているコンサルタントは3657名です(平成22年3月現在)。
産業医はどのような医師ですか。
産業医は、事業場において労働者が健康で快適な作業環境のもとで仕事が行えるよう、専門的立場から指導・助言を行う医師です。産業保健の理念や労働衛生に関する専門的知識に精通し、労働者の健康障害を予防し、心身の健康を保持増進することを目指した活動を行う医師です。「産業医は労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める一定の要件を備えた者でなければならない」と安衛法第13条第2項で規定されています。
労働衛生コンサルタントと、産業医はどのようにちがうのですか?
労働衛生コンサルタントは、労働衛生コンサルタントの名称を用いて、事業者等と契約し報酬を得て、労働者の衛生の水準の向上を図るため、事業場の衛生についての診断及びこれに基づく指導を行ないます。
産業医の選任は法定事項です(労働安全衛生法第13条)。事業者は法律の定めにより事業場毎に産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(労働者の健康管理等)をさせることが決められています。産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができますし、事業者は、勧告を受けたときは、これを尊重しなければなりません。
言い換えれば、産業医は事業場に義務づけられている労働安全衛生管理体制の重要な一部であり安全関連組織の一員として事業場へ勧告をすることができます。一方、労働衛生コンサルタントは事業場との契約関係にもとづいて外部の専門家として助言をする立場です。
どうしたら労働安全コンサルタントまたは労働衛生コンサルタントになれますか?
厚生労働省が毎年実施する労働安全コンサルタントまたは労働衛生コンサルタント試験、に合格し指定登録団体((社)日本労働安全衛生コンサルタント会)を通じて厚生労働省に登録することで労働安全コンサルタントまたは労働衛生コンサルタントになれます。(労働安全衛生法第84条等)
日本労働安全衛生コンサルタント会は、どんな組織団体ですか?
社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会は、全国のコンサルタントの品位の保持及びその業務の進歩改善に資するため、社員の指導及び連絡に関する事務を全国的に行うことを目的として設立されました。コンサルタント会以外の者は、その名称中に日本労働安全衛生コンサルタント会という文字を使ってはなりません。労働安全衛生法第八十七条(日本労働安全衛生コンサルタント会)
本部は東京都港区芝4-4-5 三田労働基準協会ビル5階に、全国の都道府県にそれぞれ支部があります。
http://www.jashcon.or.jp/
神奈川支部の事業部会はどういうものでしょうか?
神奈川支部はコンサルタントの品位の保持及びその業務の進歩改善に資するため、社員の指導及び連絡に関する事務を神奈川県でおこなっています。その支部会員のうちで事業を行いたいコンサルタントの集まりが事業部会です。事業部会による研修会、メンバーによる研究会などを通じてレベルアップを図りコンサルタント相互のネットワーク作りを行っています。本ホームページの構築、維持は事業部会が行っています。